
はじめに
先日このレポートを書いた時に計測結果を間違えて記してしまっていたのでその点を訂正させていただきました。
レコーディングの際、マイクレベルでの線引き回し距離を短くする事で音質向上をどれだけ図れるか興味があったので今年に入ってFocusriteのRedNet MP8Rを2台導入してみました。

そして、いつも利用しているレコーディングスタジオ STUDIO MARKにもDANTE対応のリモートマイクプリAMS Neve 1073OPXが導入されているので、それと組み合わせて使用する際のセッティングテストを先日おこなってきました。

主には同じ音源に対して同時にMP8Rと1073OPXを使用した場合、どれだけレコーディングされる音に遅延差が生じるのかを計りたいというのが目的でした。
計測方法としてはMP8Rと1073OPXそれぞれにShure SM57を1本ずつ接続して、2本のSM57は下写真のように出来るだけ位相差が生じないようにしながらメトロノームに向けてマイキングし、それをFocusrite RED 4 Pre&HDX&ProToolsUltimate2024.10という組み合わせのDAW環境でレコーディングしてみるという方法でした。

また、サンプリングレートによっても結果が異なるか知りたかったので48kHzと96kHzの2パターンで収録をおこなってみました。
それから、SUTIDO MARKでのネットワーク環境の場合、DANTEのデバイスレイテンシー値は0.5msecが丁度良さそうだったのでその環境上で計測を実施しました。
結果としては、48kHz時も96kHz時どちらもほぼ10サンプル程度の遅延差しか生じなかったため、同じ音源に対して同時にMP8Rと1073OPXを使用する事は無理ではという事がわかりました。
尚、このレポートを一番最初に公開した時点では誤ってアナログインからの信号とDante経由での入力信号の遅延差の値を書いてしまっていましたのでその点を2025年7月18日に訂正させていただきました。
アナログインとDante経由でのMP8Rの入力には約1msの差が生じる結果となり、どちらもDante経由でのMP8Rと1073OPXからの入力には約10サンプルの差が生じる結果となりました(MP8Rの方が早く1073OPXの方が遅い)。
今度は実際のレコーディングなどでMP8Rと1073OPXを組み合わせて使ってみたいと考えています。
今回のテストに協力していただいたSTUDIO MARKさんありがとうございました!!
改めてお礼申しあげます。

ここ数年、色々と試してみる事が減ってきてしまった感があるため、今後はまた色々と研究やトライも積極的にしていかなきゃなぁと思う次第です。
辻 敦尊